2011年04月09日

ようこそ、新入社員の皆さま。皆様が最後の砦です。

ようこそ、新入社員の皆さま。

医薬品業界へ、ようこそ。

製薬会社に入った人、CROに入った人、SMOに入った人、病院の治験担当部署に入った人、総合機構の調査部に入った人、厚生労働省の医薬品局に入った人、その他、もろもろの「薬」関係の組織に新たに入ってきてくれた皆様を歓迎します。


●一般的な新入社員のみなさんへのメッセージ
     ↓
「ようこそ!新入社員のみんな。会社が天国になるか地獄になるか、それは」
     ↓
http://hard-wonder.seesaa.net/article/193665151.html


「サラリーマン」ではなく「ビジネスパーソン」になれ」
     ↓
http://hard-wonder.seesaa.net/article/194229126.html


皆さんが入ってきた「医薬品業界」は、たえず進化していますが、いまだに克服できていない病気は山のようにあります。

ほとんど治療方法がない、という病気もあります。

最近では、そのような領域を「アンメットメディカルニーズ」とカタカナで呼んでいますが、何語で呼ぼうと、「苦戦」していることに変わりはありません。

「オーファンドラッグ制度」という制度まで日本にはありますが、そういう制度があること自体、医薬品の開発すら行われていない病気があるということです。
     ↓
http://www.nibio.go.jp/shinko/shitei.html


でも、ここからが、皆さんの勝負です。

世の中には「難病の息子」を救うために「製薬会社」まで作ってしまった奇跡の父親もいます。
     ↓
『小さな命が呼ぶとき』
     ↓
http://yapparihollywood.seesaa.net/archives/201011-1.html


genzyem
 ↓
http://www.genzyme.co.jp/


きっと、みなさんも「人々に役立つ仕事がしたい」という思いで、この医薬品業界に入ってきたことでしょう。

(あるいは、給料がいいから? 不況に強いから?)

まぁ、どんな思いで入ってこられたかは、いいとして、この業界は「やりがい」があります。

そして、常に「副作用」という安全性とも戦っています。


副作用は、今のところ薬には避けがたい問題です。

「薬害」という言葉を聞いたことがありますか?
     ↓
http://www.yakugai.gr.jp/


本来なら人の命を救うはずの薬が、逆に人体に苦痛を起こしたり、奇形が発生したり、最悪は命まで奪ってしまう、という歴史があります。

みなさんが関係する医薬品に重篤な副作用があるかもしれません。

時代が変わり、古いものが新しいものに取って代わるのが「科学」の世界ですが、どんなに未来がやってきたとしても忘れてはいけないことがあります。

「薬の安全性を確保する」ということです。


日本という国レベルでもまた、世界という地球レベルでも薬の安全性をどうやって確保するか、懸命に考えられています。

いろんな制度もあります。(ドクターレターとか。これからは患者レターというのもできそうです。)

しかし、どんなに制度が整ったとしても、科学が発達したとしても、最後の砦はやっぱり「人間」です。

そうです、あなた、です。

あなたが、薬の安全性の最後の砦です。

そういう気持ちを忘れずに。


もう一度、言います。

あなたが、薬の安全性の最後の砦です。

ようこそ!医薬品業界へ!


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ラベル:新入社員へ
posted by ホーライ at 15:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬の副作用について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月09日

イレッサに関する話題。そもそも抗がん剤は副作用救済から除外されているという問題。

イレッサに関する話題。

イレッサの副作用で亡くなられた被害者の方々が国と製薬会社(アストラゼネカ)を相手に「責任」を問う訴訟を起こしていたのは、みなさんご存じのとおり。


今回の裁判では国の責任は問われないが、製薬会社に対しては賠償を命じました。

この問題に関しては、裁判の結果が出る前に「和解勧告」が出されたのですが、国も製薬会社もこれを受け入れませんでした。

この時のことで最近、ニュースになっているのは「医学会」から裁判所の和解勧告に懸念を表明していたのですが、その声明文が厚生労働省から働きかけたり、原稿まで作られていたのではないか、という報道があります。

さらに、声明文の中には「新薬の開発にも影響を与え、ドラッグラグの問題にも関係する」という内容があったと聞いています。

はっきり言って、ドラッグラグと抗がん剤の副作用問題とは全く関係ありません。

最近、いろんなところで、この「ドラッグラグ」という言葉がまるで魔法の杖のように使われています。

(ドラッグラグとは海外で既に使われている標準的な新薬も、日本では2,3年あとになってやっと承認される、という問題。原因は色々なものがある。)


抗がん剤は薬の中でも特殊で、まず100%副作用が出ます。
その中には死亡につながりかねない副作用も少なくありません。

通常の(抗がん剤以外の)薬で重大な副作用が出た場合、「副作用救済処置」がとられます。
    ↓
http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai/ldp.html


ところが、抗がん剤は副作用が必発なので、この救済制度から除外されています。

このことが問題だと政府の中でワーキングチームが作られ、抗がん剤の副作用でも死亡された場合の救済措置がとれないか検討され始めました。

やっとです。
ちょっと遅いかな。


国も製薬会社も抗がん剤の副作用が出ることに対しては責任は無いと思いますが、副作用が強いので十分に注意するよう情報を医師に流したり、がん治療の専門医にだけ使用を許可する、というような措置を取る、というのは国や製薬会社の責任だと思います。

今回の裁判結果が、日本の製薬会社の抗がん剤開発に影響を与えるかと言えば、無いとは言えない。

抗がん剤の副作用を十分に研究し、もし、それが命に係わるようなら、その情報を出し、使用法に制限をかける、などの対応が取られるようになる。

副作用が出る、ということは薬の性質の問題であり、そういう性質を減らすよう製薬会社は当然、研究しています。

ただし、そういう副作用が出るということ、もし万が一にそういう副作用が出た場合、どのような処置を取るべきかを十分に啓発するのが国と製薬会社(主に製薬会社)の責任となるのでしょう。


今回言いたかったことは次のとおりです。

●「ドラッグラグ」という言葉を使えば、何でもOKという風潮は困る。

●抗がん剤の副作用について救済措置が取れるようなってほしい。抗がん剤の副作用まで救済の手を伸ばしたらお金が足りなくなる、ということは十分承知の上で。

●お役所の各種研究班の儀式的集まりやお役所の当初の青写真とおり研究班を動かすのはそろそろやめてほしい。

●各種学会は自分たちで検討した結果をガイドラインや表明文に反映させる。お役所との「できレース」は困るし、情けない。

●副作用の強い薬に関しては製薬会社が国の指導を待たずに、素早く対応して欲しい。




■■■ ホーライ製薬・・・架空の製薬会社の日常 ■■■
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ホーライ製薬・・・架空の製薬会社の日常

posted by ホーライ at 05:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 薬の副作用について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする