今週のホーライ製薬とも関連するけれど、組織の力を活かしきる、というのはとてつもなく大変だ。
製薬企業のR&Dという組織、CROの臨床開発部という組織、治験実施医療機関の治験事務局、SMOの医療機関支援部、総合機構の新薬審査第一部、厚生労働省の医薬食品局・・・・・・etc.
様々な組織が治験に絡んでいる。
それぞれの組織がその力を存分に発揮していたら、かなり治験の促進に繋がるだろうけれど、なかなかそうはいっていない。
縦割り組織、官僚組織、権力争い、縄張り意識、様々な問題が組織にはある。
チームスポーツをやったことがある人なら経験していると思うけれど、「一体感」があるかどうかで、組織の力は実力以上のものになる。
では、その「一体感」はどうやったら、醸し出せるのだろう?
それは何と言っても「組織の存在意義」をメンバー全員が意識することだ。
たとえば、僕が今働いている会社では社員全員が「理念手帳」というものを持っていて、その最初のページに「使命」とあり「私たちは創薬と医療技術の向上を支援し、人類を苦痛から解放することを絶対的な使命とします」と書いてある。
これが、僕の働いている組織の「存在意義」となる。
だから、組織の中で問題が発生したら、「この場合、何が人類を苦痛から解放することに繋がるのか?」という視点で議論する。
組織で働くということはただ「給料を貰う」ためだけではなく、ひとりではできないことを組織を通じて成し遂げることに意義がある。
あなたが「人類を苦痛から解放したい」と思ったとしても、なかなかひとりではできない。
でも、それが5人の治験事務局ならどうだろう?
企業から依頼がくる治験申請の手続き関係を5人で手際よく回す。
それが、新薬の上梓に影響を与え、ひいては「人類を苦痛から解放する」ことになる。
たとえば、あなたが100人のR&Dの所属していたら、ある人は基礎研究からあがってくる化合物の将来性を分析し、ある人はフェーズ1を行い安全性を確認し、ある人は薬事部で、規制当局とのやりとりを行っている。
こうして、100人が組織の存在意義を意識して働けば、人類を苦痛から解放することになる。
だから、細かい「縄張り意識」を捨て、「官僚組織」の動脈硬化を起こしたような組織を活性化し、組織のメンバー全員を巻き込んで、新薬の開発に取り組もう。
患者さんと家族は泣いている。
アメリカでは普通に使われている薬が、日本では使えないということを。
自分の愛する息子が治療薬の無い難病になったことを。
患者さんと家族を泣かせているのは誰か?
それは、「あなた」だ。(僕も当然、そうだ。)
「あなた」が組織を活かしきれていないからだ。
チームという組織、部門という組織、事業部という組織、会社(病院)という組織、官僚という組織、日本という組織。
日本で治験が進まないのは、「あなた」のせいだ。
それを忘れずに、組織の中で働いていこう。
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