10月の末にGCPの運用通知が改正された。
もちろん、皆さんのところでは、その改正についての周知徹底の方法が為されたことと思います。
まだのところは至急、実施致しましょう。
GCPは運用通知も含めて、僕たちが戦うための(誰と戦うというわけでありませんが)ルールです。
そのルールを理解し、うまく立ちまわったところが治験の勝者となります。
ICHのGCPが導入された時も、いつまでも社内のSOPがそろわなくて出遅れた治験依頼者もいます。
GCPの運用通知でも「これって、具体的にはどうすればいいの?」という個所もあります。
そんなところを、治験依頼者は統一見解をモニターの皆さんに提示していきましょう。
現場で困るのはモニターの皆さんです。
たとえば「検査の精度管理を確認する」方法をどうするのか?
たとえば「治験責任医師は治験依頼者との重要な連絡に書類を保管する」ことを、どうお願いすればいいのか?
などなど、いろんな点でモニターは困ります。
そこで、治験依頼者のしかるべき立場の人や、組織が検討して、早めに統一見解を出してあげましょう。
ちなみに、ICH−GCPが導入され、答申GCPが通知された10年前に、僕は車内に「GCP解釈委員会」なるものを設置し、そこでモニターがGCPの解釈や対応で困ったことを一手に引き受け、社内のしかるべきメンバーを集め、統一見解を出し、それをメールで一斉配信したり、イントラネットで公表していきました。
モニターの皆さんの中で、今回の運用通知の解釈や対応で困ったら、臨床部署の長に訴えましょう!
そして、会社としての方針を決めさせ、それを社内で周知徹底させましょう!
これは今回の事に限らず、治験に関連する法律、ガイドラインが通知、改定されて必要だと、あなたが判断したら今後もやっていきましょう。
そうです。あなたです。
あなたが旗振りをしましょう。
決めるのは部長でもいいので、とにかく、その音頭を取る役割をあなたが担うのです。
そして、いかにして効率的にモニタリングができるかを検討させるのです。
効率的に、効果的にモニタリングを行う、そういう時代になったのです。
そのためには、まずはルールをしっかりと理解、把握する必要があります。
社内でそういうシステムが無いところは、今回のGCP運用通知の改定がいい機会ですので、社内で上記のようなシステムを作らせましょう。
今、すぐに。
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2011年11月26日
2011年04月03日
『治験でも想定外の事態に備えよう』
そもそも「想定できる範囲」のことは、マニュアルや過去の経験で対処できる。
しかし「想定できる範囲の外」のことは、常に「想定していない」ところから始まる。
私が過去に経験した「想定外」のこととして、次のことがある。
●「ダブルブラインド」と「オープンな長期試験」を同一病院で実施していたときに、間違えて治験薬が投与された。
つまり・・・・
「長期投与試験」に入っている患者さんに「ダブルブラインド」の治験薬が投与されてしまった。
ぎゃくに「ダブルブラインド」の治験薬が「長期投与試験」の患者さんに投与されてしまった。
あなたなら、どうしますか?
この2つの事例で、どちらの患者さんは「有効性データ」から削除し、どちらの患者さんは「有効性データ」も「安全性データ」も削除すべきか、考えてみましょう。
●さらに、治験薬の「内容量」が変わったのに、それが全ての治験実施医療機関に伝わっていなかった、というのもある。
あるロットから、内容量が50mlから55mlになった(濃度は一緒)。
患者の体重から投与量を決める治験だったのだが、この場合、どのような処置、対応、データの取り扱いをしたらいいかを考えてみましょ
う。
●また、ある「臨床試験検査」から、ダブルブラインドのブラインドが保てなくなった、というのもある。
ある検査値をみると、一目瞭然として、「治験薬群」なのか「プラセボ群」なのかが分かってしまう、という事態もあった。
●ほかにも、「治験薬群」と「プラセボ群」が全く、逆に割りつけられた、というのもある。
●分包されている薬の数が「2錠」のはずなのに、ある治験実施医療機関で「3錠が入っている」分包が見つかった。
・・・・・・・等など。
僕の数少ない治験経験の中でもこれだけのことを見聞きしたのだ。
「まさか!」という事態が発生することもあることを肝に銘じておこう。
あわてずさわがず、という分けにはいかない。
そういう事態が発生したら、とにかく「優秀な頭脳」を緊急招集して、対応をもれなく考え出すのだ。
アポロ13号のときのNASAのように。
今回の大震災では、何もかもが、「想定外」のことだった。
絶対安全と言われた原発で放射能漏れが発生した。
指定された避難所が津波に襲われた。
過去の記録をはるかに超える津波が発生した。
僕たちの治験でも起こりうるのだ。そういうことが。
普段からフットワークが軽い優秀な頭脳を育てるしかない。
緊急時対応マニュアルを作成するのもいいかもしれないが、そのマニュアルを超えて事態が発生するのだ。
東京電力や政府の今回の対応をつぶさに観察して、自分たちの組織に反映させよう。
何が事態を悪化させるのか、が観察のポイントだ。
また、何が事態を打開したのか、が観察のポイントだ。
常に「学習する組織」として、世の中のできごとを、そういう目で見ていこう。
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しかし「想定できる範囲の外」のことは、常に「想定していない」ところから始まる。
私が過去に経験した「想定外」のこととして、次のことがある。
●「ダブルブラインド」と「オープンな長期試験」を同一病院で実施していたときに、間違えて治験薬が投与された。
つまり・・・・
「長期投与試験」に入っている患者さんに「ダブルブラインド」の治験薬が投与されてしまった。
ぎゃくに「ダブルブラインド」の治験薬が「長期投与試験」の患者さんに投与されてしまった。
あなたなら、どうしますか?
この2つの事例で、どちらの患者さんは「有効性データ」から削除し、どちらの患者さんは「有効性データ」も「安全性データ」も削除すべきか、考えてみましょう。
●さらに、治験薬の「内容量」が変わったのに、それが全ての治験実施医療機関に伝わっていなかった、というのもある。
あるロットから、内容量が50mlから55mlになった(濃度は一緒)。
患者の体重から投与量を決める治験だったのだが、この場合、どのような処置、対応、データの取り扱いをしたらいいかを考えてみましょ
う。
●また、ある「臨床試験検査」から、ダブルブラインドのブラインドが保てなくなった、というのもある。
ある検査値をみると、一目瞭然として、「治験薬群」なのか「プラセボ群」なのかが分かってしまう、という事態もあった。
●ほかにも、「治験薬群」と「プラセボ群」が全く、逆に割りつけられた、というのもある。
●分包されている薬の数が「2錠」のはずなのに、ある治験実施医療機関で「3錠が入っている」分包が見つかった。
・・・・・・・等など。
僕の数少ない治験経験の中でもこれだけのことを見聞きしたのだ。
「まさか!」という事態が発生することもあることを肝に銘じておこう。
あわてずさわがず、という分けにはいかない。
そういう事態が発生したら、とにかく「優秀な頭脳」を緊急招集して、対応をもれなく考え出すのだ。
アポロ13号のときのNASAのように。
今回の大震災では、何もかもが、「想定外」のことだった。
絶対安全と言われた原発で放射能漏れが発生した。
指定された避難所が津波に襲われた。
過去の記録をはるかに超える津波が発生した。
僕たちの治験でも起こりうるのだ。そういうことが。
普段からフットワークが軽い優秀な頭脳を育てるしかない。
緊急時対応マニュアルを作成するのもいいかもしれないが、そのマニュアルを超えて事態が発生するのだ。
東京電力や政府の今回の対応をつぶさに観察して、自分たちの組織に反映させよう。
何が事態を悪化させるのか、が観察のポイントだ。
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