もちろん、最低限を守らせるためには、規制の厳格化というのも、あり、だ。
でも、それだけでは十分ではない。
ルールを厳格化しても、それを破る人は必ずいる。
問題は「僕たち」にある。
問題は、ルールを運用する側に常にある。(あえて言うなら。)
GCPガイダンスはあくまでもガイダンス(説明書)だ。
被験者の人権の保護等が守られ、試験の成績の信頼性等が確保されれば、固執する義務はない。
でも、「考える」必要がある。
ただ、言われたとおりにやりました、ということより、僕たちは、こう考えました。だから、こうしました、と言えないのといけない。
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薬食審査発1228第7号
平成24年12月28日
厚生労働省医薬食品局審査管理課長
なお、GCP省令の規定に合致し、被験者の人権の保護、安全の保持及び福祉の向上が図られ、治験の科学的な質及び試験の成績の信頼性が確保されるのであれば、本ガイダンス以外の適切な運用により治験を実施することができます。
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今、僕たちに求められているのは、「信頼性」だろう。
それも、データの信頼性ではなく、製薬業界全体に対する信頼性だ。
他人事ではない。
僕が(あなたが)、率先してやるべきことだ。
明日、やるべきことではない、今日、やるべきことだ。
今年も多くの新入社員が僕たちの業界に入ってきた。
彼ら、彼女らに未来はあるのだろうか?
僕たちが、未来を作って、彼ら、彼女らに手渡す義務がある。
待ったなしだ。