2014年05月13日

その人の背中を押してやる

ある日、僕がまだ駆け出しのモニターをやっていた頃、部長が言った。

部長「お〜〜い、今、暇だろう?」

僕「いえ、暇じゃありません。」

部長「今から癌研(http://www.jfcr.or.jp/)の●●●先生に会いに行くから、一緒に来い!」

僕「だから暇じゃないっすって!!」

部長「下でタクシーを拾って行こう。」

僕「はぁ・・・」

ということで、タクシーの中で、その部長は、その●●●医師に何故、会いにいくかを細かに説明してきた。

どうやら、新しいプロトコルの検討委員になって欲しい、ということらしい。



僕は何しろ、その会社に入って、まだ3か月も経ってないので、オトナシク、その部長の話を聞いていた。

そして、癌研の前にタクシーが止まったので、僕がタクシーを降りたら、その部長がこう言った。


部長「じゃ、用件分かったな!俺は■■■病院の▲▲▲先生に会いにいくから、あとはよろしくな!」

タクシーは行ってしまい、僕は歩道で立ちすくんだ。

・・・・・・というように、これは実話なのだが、社員を教育するときに、泳げない人をプールに落とすように、あるいはスキーが滑れない人を無理矢理、リフトに乗せて山の頂上へ連れて行ったりする、やり方もあるが、普通はそうしない。

モニターをやり始めた後輩の中に、スキルや能力、知識もあるのに、度胸だけがない、自信がない、という人が、毎年、数人いる。

きっと、CRCになりたての人の中にも、そんな人がいるだろう。

そしたら、先輩のあなたは、その人の背中を、そっと押してあげればよい。

僕も、最初の頃は、担当する施設に行く時に、たくさん、資料を持っていかないと不安だった。

プロトコルはもちろんのこと、治験薬概要書、論文、社内資料など等。

でも、慣れてくると、そんな知識はだいたい、頭の中に入り、ほとんど手ぶらで、施設訪問した。

それも、これも、上述した部長のおかげだった。


フロアーに一つしかないタバコ部屋(喫煙室)に入ると、必ず、その部長がいて、僕にモニタリングのノウハウ、治験のやり方、新薬の開発戦略、等を教えてくれた。

そして、「なんで、おまえのとこのプロジェクトは予定より、遅いんだ?」と、いつも聞いてきた。

その都度、僕は理由を、原因を考えて、その対策を伝えたら「来週中に結果を出せ」と無茶ぶりをしてくる。

こんな強引でなくてもいいので、不安にかられている後輩に自信をつけさせてあげよう。



誰だって、最初は初心者だったことを思い出そう。

自信をつけてもらうために、まず、必要なことは小さくてもいいので、ひとつの成功だ。

予定通り患者さんの登録が終わった、CRFを予定どおり回収した、SDVもひとりで出来た、なんでもいい。

そんな小さな成功体験ができるように、周りもサポートしてあげよう。

業界のセミナーや担当領域の学会に参加させるのも、雰囲気を掴むためにいい。

初心者をいじめない。貶めない。(あなただって、つい、この前までそうだったのだから。)

コツを教えてあげよう。

目指すべき目標となるような人を紹介してあげよう。

自分の大切な人脈を引き継がそう。

あなたの「成長させてあげたい」という気持ちを忘れないようにしよう。

3年かけて、一人前のモニター、CRCになるまで見届けていきます。

僕も私も。

その人の背中をソット押してあげる。

だから、諦めないで欲しい。

新薬はもう目の前だ、もうすぐだ。


posted by ホーライ at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事の基本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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