僕は実家が新潟です。
新潟は大雪が降ることが前提に家が作られていたり、除雪が前提となった街づくりがなされています。
たとえば、道路の真ん中の地下を「消雪パイプ」が走っています。
もちろん、車を持っている人は必ず、「スタッドレスタイヤ」を持っています。
用心深い人は車の中に「シャベル」と「牽引用のワイヤー」や「毛布(防寒用)」を積んでいます。
大雪が降ると道路と田んぼの区別がなくなるので、道路の端には「ここまでが道路ですよ」ということを知らせるために5m置きに黄色と赤の縞模様の鉄パイプ(高さ3mぐらい)が立っています。
ところが、東京等は大雪は降らないという前提で街ができています。
というか、1mも雪が降るなんて、想定されていません。
しかし、3.11以来、「天災」に対する考え方が変わってきましたよね。
関東地方も、今後は1mの大雪が降ることを前提に街づくりをしないとだめです。
それはコストがかかりますが、コストと人命とどちらをとるかということですから、「無駄を承知で」防災をすることです。(無駄になったら、それはそれでよいわけで。)
経済成長予想も日本という国では人口が減少することを前提として考えないといけません。
少子高齢化を前提とした福祉制度を考えることが必須です。
治験の世界も同じですよね。
今ではもう国際共同治験を前提としたプロジェクト計画が必要です。
世界中で「英語」を自国の母国語に変換したプロトコルやCRF、治験薬概要書が必要な国は何か国ぐらいあるのでしょうか?
多分、日本は少数派でしょう。
日本は治験も「ガラ系」。
英語は知っていると有利というより、英語を知らないと不便です。
そうそう、思い出したことがあります。
ICH−GCPが日本に導入された15年以上前、日本は一時的に治験が国内空洞化現象がありました。
日本の治験環境がICHに対応していなかったからですね。
その頃、フランスからやってきた僕の上司は、「日本で治験ができないなら、韓国でやればいいじゃないか」と言い放ちました。
その当時は「そんなの無理じゃ!!」と思いましたが、ユーラシア大陸の西の端からやってきたフランス人にとっては、日本なんて、大陸の東の隅っこにある小島ぐらいの感覚しかなかったので、モンゴリアンならいいんじゃないの、という感覚でした。
今ではアジアンスタディがあります。
15年前には笑い話の種だったのが現実のものとなっています。
今日の「まさか」は明日の「現実」です。