2013年03月08日

ある治験ボランティア会のとんでもないこと・・・

実は先日、ある治験ボランティアの会に登録した。

その会では主にフェーズ1の治験情報を登録者に連絡してくれるのだけれど、ときに生活習慣病の治験情報を該当者に連絡してくれる。

僕にとっては、こういう治験ボランティアの会に入るのは2か所目だ。

僕も持病がいろいろあるので、その最初の治験ボランティアの会から、時々、治験に参加しませんか? という連絡が電話でくる。




それはさておき、その先日のある治験ボランティア会(Aボランティア会としよう)にはネット経由で登録希望を申し込んだ。(登録料は無料。)

すると、登録するに際して「そもそも治験とは何か?」という説明会があるので、必ず参加するようにと連絡がきた。

で、行ってみたのですが、途中で下手すると「とんでもない説明だ!これって絶対にGCP違反だよな」という内容があった。

その件はあとに回すとして、Aボランティア会では説明会を毎日2回やっているらしい。

僕が行った時は説明会に来た人は20人ぐらい。

そのうち女性が3人(20代、30代、40代がそれぞれ1人ずつという感じだった)。

男性は20代から50代まで様々だったが想像どおり若い人(20代ね)が多かった(3分の2ぐらい)。




さて、時間がきて「そもそも治験とは?」というお決まりの説明が始まったのだが、まず説明者の女性の声が小さい!!

さらに、その説明会場は「閉じられた空間」ではなく、パーティションで区切ったスペースなので、天井近くの隙間から、「今度、●●の治験が静岡であるんですけれどいかがですか?」なんていう言葉がバンバン、聞こえてくる。

説明者の声が小さく、なおかつ、隣が騒々しいので、相当、聞きにくい。

後ろに座っていた人は聞こえたのかな? と思うほどだった。

ここはやっぱり、「密室」で声の大きな人が全ての人に全てのことが聞こえるように説明して欲しいよね。




それで、その女性が「今、病院で使われている薬も治験を行ったうえで使われています」的な、予想どおりの展開になる。

面白かったのは(面白がってもいけないけれど)、「現在の治験は安全に実施されます。何故ならヘルシンキ宣言が世界的に発せられたからです」というくだりだった。

プレゼンの資料中にはヘルシンキ宣言のほかに「GCP」と「IRB」という言葉が記載されていたけれど、この2つには全く触れられず。

確かに「ヘルシンキ宣言」は重要だけど、一般の方にはむしろ「GCP」や「IRB」の説明のほうが適切では? と思うんだよね。




そして、問題の発言になるのだが、まず「この説明会に参加されたからと言って、必ずAボランティア会に入る義務はありません」と、これはいいよね。問題ない。

次に、「たとえ、Aボランティア会に登録しても、やっぱり退会しますと言われても構いません。違約金などは一切、取りません」。これも問題ない。

さらに「本番の治験の前に、医師から治験の内容について説明されます。その説明をよく聞いて、自己責任で治験に参加してください。もちろん、治験の説明をきいて、参加したくないと思われたら参加しなくても結構です」と。

ここまでは全て問題無し、だね。

次だ。

「ただし、治験の説明を聞き自己責任のもと、いったん、治験参加に同意し、同意書にサインをしたら、絶対に治験を途中で辞退しないでください」ときた。

え!? と耳を疑った。

まぁ、100歩譲って、この説明会ではそうは言っても、本番の治験の前の同意説明文書には絶対に「同意後であっても、いつでも治験の参加を何時でも取りやめることができる旨」が記載されているはずだ。(これが無かった、それこそ、本当に重大なGCP違反だ。)

だから、いいのか?

本番の治験の前の説明ではなく、治験ボランティア会に登録するための説明会であっても、ここは絶対に「同意後でも、治験参加を辞めることができます」と説明すべきだろう。

びっくりしたよ。まったく。

僕はあまりにも呆れたので、クレームをつけなかったけれど、つけるべきだったかな? 

まぁ、そうだよね。クレームをつけるべきだったんだろうね。

でも、きっと本番の説明の時には絶対に言うはずだから、と知らん顔してきた。(無責任なのかもしれないが。)



ほかに、どんな説明をされたかというと以下のことだ。(とここで書けるのは、もちろん、僕は説明をメモしていたから。僕以外にメモを取っている人はいなかった。)、

●フェーズ3になると「プラセボ」という「偽薬」にあたることがあります。(これは微妙に違う。本当はフェーズ2だよね。たいていの治験のフェーズ3は実薬対照だからね。)

●負担軽減費が出ます。通院の場合は1万円前後。入院すると4、5万円です。(入院の場合はもちろん、負担軽減費はでない。これはフェーズ1の謝礼の説明だろうけれど、誤解を招くね。)

●万が一副作用が発生したら、製薬会社からそれなりの補償が出ます。(これはいい。)

●当会では「特保」や「ジェネリック」「一変」「化粧品」の治験も情報を提供しています。(それぞれの「ジェネリック」等の言葉の説明はあった。)

●健康食品もやっています。

●ここで絶対に覚えておいて欲しいことがあります。それは「治験では休薬期間」が必要だということです。1つの治験に参加したら、その治験薬を最後に服用、注射されてから3〜4か月は次の治験に参加できません。ですから、最後に治験薬を服用した日を手帳に書いておいてください。」(なるほどね。)

●治験の二重登録(参加)は絶対にしないでください。同じ治験薬を別の病院から出してもらわないでください。(これもいい。)

●二重登録できないよう、全て履歴をとっていますので、嘘はばれます。(これはちょっと、変。こんなこと言っては何だが、二重登録(参加)はやろうと思えばできる。でも、こう釘を刺しておいたほうがいいかもね。)

●二重登録は禁止です。最悪、治験が中止になることがあります。中止になった場合の損害は数十億〜数百億円にのぼります。二重登録された方には損害賠償金を支払ってもらいます。(おいおい、本当か?)

●普通のアルバイト気分で「ちょっと遅刻するけれどいいや」「今日はキャンセル」なんて絶対に思わないでください。時間厳守です。(なるほど。)


・・・・・・など等。

まぁ、好意的に考えて「治験のバイト」を気楽に考えないで欲しいということで上記の説明(口頭&文書)があるのだろうけれどさ。

やりすぎの気がする。



そんなこんなで、とにかく登録用紙に既往歴と合併症と現在、服薬中の薬の名前、緊急連絡先(妻)と記載し、体重と身長を測定してもらって(BMI算出のため)、帰宅した。(これだけでは謝礼は出ない。あたりまえだけど。)


普段は偉そうに、ここでいろんなことを言っているけれど、ときには自分が「被験者」になって治験のことを考えてみたい。


ちなみに、15年ほど前に自社の「抗生物質」のフェーズ1に参加したことはあります。

ただし、治験薬投与直前の血液検査で「ガンマGTP」が基準値オーバーで脱落し、あとで、プロジェクト担当者にさんざん怒られた^^;


治験が進む上では、いろんなことがあるもんです。





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●GCPの問題集(サイト版)
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posted by ホーライ at 22:20| Comment(1) | TrackBack(0) | 治験の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
普段自分が応募することはないけど、治験ボランティア会だって「商売」だからなぁ…と考えさせられた記事でした
Posted by at 2015年11月23日 05:02
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