2013年02月22日

ゲノム時代は「理系」と「文系」の二刀流でいこう!

今週の「ホーライ製薬」は「ゲノム薬理学を利用した治験について」を見ている。

この分野の発展は目を見張るものがある。

実際に「ゲノム薬理学を利用した治験」の審議に関する取り扱いについて」を公表している病院もある。
  ↓
「国立精神・神経医療研究センター」の事例
  ↓
http://www.ncnp.go.jp/hospital/sd/chiken/dl/c_pattern05-2.pdf



ゲノムと言い、iPS細胞と言い、再生医療、抗体医薬、がん治療としての「樹状細胞治療」など等・・・時代はどんどん進んで行く。

この手の話は「基礎研究」の話だから治験の現場にいるモニターやCRCは知識は不要さ、というわけにはいかない。(当然ながら。)

モニターはこの手の話を治験責任医師等と対等に「会話」ができないといけないし、CRCは「分かりやすく」患者に「この手の話」を説明しないといけない。

「会話」するにしろ、「説明」するにしろ、必要なのは「知識」だ。それも基本的な知識だ。


僕は社内で講師をやっているので、「講義する内容」は理解していないとだめだ。

説明する(講義する)内容を理解していないと、まず「分かりやすく」説明することができない。

さらに「質問」にも答えないといけない。

モニターも治験責任医師等から質問されたら専門的な言葉で説明できないといけないし、もっと難しいのCRCが患者に理解できる言葉で答えることだ。

例えば、あなたのお父さんやお母さん、あるいは配偶者、パートナーの中で「科学的な知識が普通にしかない」というごく一般的な市民の方に、「ゲノムとは何か」を説明してみよう。

相手の程度に合わせた説明ができるだろうか?

この場合、「分かりやすく説明する」と「レベルを下げる」とは同義語ではない。

大事なことは「レベルを下げずに」難しいことを分かりやすく説明する、ということだ。


こんな場合、僕がよく使う例は「たとえばなし」をする、だ。(講義でも多用しているし、このブログ等でもよくやっている。)

「ゲノム」の話なら、よく使われれるが「設計図」に例えて説明することができる。

「ゲノム」はお父さんの体を作るための「設計図」だよ。

そして、設計図はたった4つの言葉(もちろんDNAのG、A、T、Cを指す)で書かれているんだよ、とかね。


じゃ、例えば、どうして「リウマチ」の治験なのに、その設計図を分析する必要があるの? という質問に答えないといけない。

こうなると「リウマチ」の知識と「リウマチと遺伝子の関係」と「それらと今回の治験薬との関係」を説明しないといけない。

それも患者が理解できる言葉で。


ことほど左様に、「難しい言葉」を分かりやすく説明することは難しく、そして、絶対に必要なスキルなのだ。

自分が理解していることと説明が上手か下手かはリンクしないけれど、自分が理解している程度と説明の「正確さ」はリンクする。



う〜〜ん、難しいよね。

でも、だからって、困難から逃げていてはいけない。

基本的な知識、最先端の知識を常にフォローし、理解する。

そして、それを「他人に理解できる程度」に理解する。

さらに、それを実際に分かりやすく説明するスキルを磨いておく。

この治験の分野の人は「理系」出身者が多いと思うけれど、理系の「癖、さが、習慣、悪癖」として「理論づくめで相手に説明する」ことが多々ある。

でも、時にはそれが却って、話を「小難しく」していることもあるので要注意だ。




理論的に説明すれば相手は納得するはずとは思わないほうがいい。(特にビジネスではね。)

時には相手の「感情」に訴える必要もある。

ただ「基本的な知識」も無く、「感情」だけで説明するのはただの「浪花節」だ。

「感情」に訴えても、「どうして、この治験薬は効果があると言えるんですか?」という質問に答えられない。



・・・・・・ということで、僕たちは「理系」の「知識」と「文系」の「説得スキル」の両方が要求されている。


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相手を納得させるのって、いや〜〜〜、本当に難しい。(よね?)



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http://horai-sciencenews.seesaa.net/

●ホーライ製薬は下記
http://horaiseiyaku.seesaa.net/

●医薬品ができるまで」は下記
http://chiken-imod.seesaa.net/

●ハードボイルド・ワンダーランド日記
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●基礎医学知識・薬学知識・カルテ用語の問題集(ブログ版)
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