2012年12月20日

患者にわかりやすい治験・臨床試験サイトが必要

こんなブログを発見した。
  ↓
患者にわかりやすい治験・臨床試験サイトが必要
  ↓
http://menet8713.exblog.jp/19672861


まさに!だよね。

例えば、下記のサイトを見てみよう。
  ↓
「臨床研究(試験)情報検索」サイト(国立保健医療科学院)
  ↓
http://rctportal.niph.go.jp/



ここにはこう書いてある。
  ↓
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・本ポータルサイトは、患者さんや一般の方々及び研究者への情報提供を意図した3つの登録センター(大学病院医療情報ネットワーク研究センター〔UMIN-CTR〕、日本医薬情報センター〔JAPIC〕、日本医師会治験促進センター)に登録された臨床研究(試験)の情報を横断的に検索ができるサイトで、2008年3月に本稼動を開始しました。

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ね? ここに「患者さんや一般の方々」とあるよね?

では、その検索するサイトを実際に見てみましょう。
  ↓
http://rctportal.niph.go.jp/search


上記の画面を見ると、これはどう見ても「患者さんや一般の方々」向けとは思えない。

でも、とにかく「リウマチ」で「東京」を検索してみると、ほとんどが登録元が「UMIN」だ。

つまり、製薬会社の「治験」というよりは「医師が実施している臨床試験」だ。



さて、それはともかく、じゃ、これから先、「患者さんや一般の方々」が製薬会社が実施している「治験」を検索できるサイトができるのだろうか?

それも、きちんと「実施医療機関名」まで検索できるサイトが。

患者が自分の病気のために治験をやっている病院を探せる方法だ。



実はこれに関することが「活性化5ヶ年計画」に記載されている。

まずは、次の資料を見てみよう。
  ↓
「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」(平成24年3月30日:文部科学省・厚生労働省)
  ↓
http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/chiken5_2012.pdf

上記の資料のPDFのページで言うと4ページ目。
  ↓
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(3) 国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加を支援する

●国立保健医療科学院に臨床研究登録情報検索ポータルサイトを設置。

●平成 20 年10 月に世界保健機構(WHO)により、 臨床試験登録のUMIN-CTR、JAPIC、JMACCT との連携体制を、Japan Primary Registries Network として認定 等。

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ここにある「国立保健医療科学院に臨床研究登録情報検索ポータルサイト」が、さきほど、見た検索サイトを言っていると思われます。




さらに、下記の資料の14ページにはこう書いてある。

「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」(平成24年3月30日:文部科学省・厚生労働省)
  ↓
http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/chiken5_2012.pdf
  ↓
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(実施中の臨床研究・治験に関する情報提供)

●臨床研究・治験の情報提供については、国立保健医療科学院の「臨床研究(試験)情報検索ポータルサイト」で実施しているが、さらに、国民・患者が求めている情報を調査・検討し、我が国からのイノベーション発信の観点も踏まえて、利用しやすいものとする。

また、厚生労働省の「治験ウェブサイト」や医療機関や患者会等のウェブサイトを通じて、本ポータルサイトが広く周知されるよう取り組む。


(中略)

<中・長期的に目指すこと>

●国等は、我が国における治験の実施状況を明らかにするために、実施されている治験の情報やGCPの遵守状況に関する情報等を一定のルールを定めて公開することを検討する。

治験の状況に関する情報は、希少・難治性疾患、小児領域等において特に求められているが、他方、公開に当たっては企業の開発戦略や知的財産権等にも配慮する。


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いいこと、言っています!!


「国民・患者が求めている情報を調査・検討し」が大事です!!


是非、お願いしますね。

ただね<中・長期的に目指すこと>じゃなくて、是非、<短期>でお願いします。(患者や病気は待っていてくれませんから。)



あと、「難病や希少疾患」についても上記の資料の22ページにはこうあります。
  ↓
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(希少・難治性疾患等の治験に関する情報提供)

●特に希少・難治性疾患等については、国立保健医療科学院の臨床研究(試験)情報検索ポータルサイトだけでなく、独立行政法人医薬基盤研究所のウェブサイトや公益財団法人難病情報センターのウェブサイト等においても、関係企業の協力を得て現在実施中の治験の情報提供を行う等、国民・患者目線に立った情報提供の在り方について検討を進める。


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はい、まさにおっしゃるとおりです。




では、この件(患者が治験を検索しやすいサイト)について次に下の資料を見てみましょう。

「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン」(平成24 年10 月15 日)
  ↓
http://www.jmacct.med.or.jp/plan/files/chiken5_action.pdf


上記資料のPDFのページで言うと13ページにこうあります。
  ↓
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●国は厚生労働科学研究費補助金による研究班等を設置し、過去に実施した調査に加えて、国民と患者をそれぞれ対象にしたニーズ調査や意識調査を実施し、その結果を踏まえて国民・患者にとって利用しやすいポータルサイトを構築する。

また、厚生労働省の「治験ウェブサイト」や医療機関や患者会等のウェブサイト等を通じて、本ポータルサイトが広く周知されるよう取り組む。(※)


※研究事業名(年度):医療技術実用化総合研究事業(臨床研究基盤整備推進研究事業)(平成24年度〜25年度)

研究者名:佐藤 元

研究課題名:国民・患者への臨床研究・治験普及啓発に関する研究


研究者名:有田 悦子

研究課題名:一般利用者の視点に基づく臨床試験コンテンツ作成とポータルサイト構築に関する研究

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さらに、さらに、上記資料の14ページにこうあります。
  ↓
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●製薬企業等団体は、開発戦略や知的財産権等を確保しつつ、企業治験の実施状況を明らかにするための課題や方策を具体的に明らかにする。

●厚生労働省等は、上記の検討を参考にしつつ、希少・難治性疾患、小児領域等において、特に実施中の治験情報が求められていることを踏まえ、患者がアクセスしやすくなるよう、治験情報の公開に向けて一定のルールを定めることを検討する。

●厚生労働省等は、GCPの遵守状況に関する情報等の公開について一定のルールを定めることを検討する。

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よ〜〜し!

いいね!



でも、もっと簡単な方法は、このブログでも過去に書いたことがありますが、「治験届」の「治験実施施設一覧」を公開することだと思うんですよね。

実は10年ほど前、僕は総合機構に直接、電話をかけて「治験届を公開して欲しい」と言ったことがあります。

すると、電話に出た方の答えは「国が有効性や安全性を保証していない段階での治験薬の情報は公開できない」というものでした。

まぁ、これはその電話にでたおじさんの「個人的見解」だと思いますけれどね。

それに時代も流れました。


実際に「治験課題名」や「依頼者名」は全ての治験実施医療機関のIRBの「審議記録の概要」で公開されているのですから、「治験届」の「依頼者名」と「治験課題名」(ここに当然、病名が含まれているよね)と「治験実施医療機関」の一覧表のところだけでも、公開してもいいと思うのですが、どうなんでしょ?

さらに「治験届」の上記の項目をデータベース化して、検索できるようにしてもらうともっと患者さんは助かると思うんだよね。

これなら「アッと言う間」に出来ると思うんだけれどなぁ。



はい、では、これで今年の「医薬品ができるまで」は終了です。

来年は1月7日に再開予定です。


では、みなさん、よいお年を!!




posted by ホーライ at 19:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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