その答えは「際限なく」だ。
プロトコルや治験薬概要書に記載されていることを全て覚えるだけではなく、関連する事項も貪欲に調べ、覚える必要がある。
優秀な新人とそうではない新人との差がここに出る。
問題意識が高く、分からない言葉は全て調べるぞ、という新人は将来、間違いなく優秀なモニターになる。
ここはいいや、この言葉は知らないけれど、まぁいいや、という新人は将来、間違いなく使えないモニターになる。
優秀な新人だなと、僕が密かに思っている人が、ある日、プロトコルを持って、僕に質問をしにやってきた。
そのプロトコルを見たら、「単語単位」で赤線が引いてあった。
その新人は自分が知らない単語をしらみつぶしに調べているのだ。
英語のトレーニングも一緒だ。
社内で英語の研修をやっていると、「どの程度の単語を覚える必要がありますか?」という質問がよくある。
僕の答えは「見た単語、全て」だ。
それだけの貪欲さが必要。
また、「国際共同治験のプロジェクトに配属されるんですが、英語の報告書が書けません。何か、いい方法はありますか?」と質問をしてくる人がいるが、よくよく聞くと、その手の人は「すぐに英語を書けるようになる方法」を求めている。
たった30分程度、英語の勉強をして英語のモニタリング報告書を書けるようには「絶対に」なれない。
ビジネスによく使われる英語の基本例文や単語を毎日、覚えるトレーニングが必要なのだ。
人は絶対にインプット無しにアウトプットはできない。
何かを「ゼロから創出する」ことなんでできない。
自分が覚えている例文を「応用して」英作文する以外にない。
「知らない単語」をその場で使えるようになるのは「不可能」だ。
「覚えている単語」を使って英作文することだけが「可能」なのだ。
仕事のスキルの中には「一夜にして使える、なんてことは無理」というスキルが絶対的に存在する。
今まで英語のトレーニングを何もしていないで、今日、30程度勉強したら、明日からバンバン、英語のレポートが書ける、ということは「絶対に」あり得ない。
ビジネスによく使われるフレーズ、英単語、イディオムを覚える必要がある。
もし、あなたがその気になって、今から、英語の勉強を始めるぞ、と思ったら、目にした英単語は全て覚える、というぐらいの貪欲さと気概が必要だ。
英語の限らず、知識に限界を決めないほうがいい。
「ここまででいいや。あとは放置。」というのはやめようね。
自ら知識に限界を決めるということは、自分の可能性と成長に限界を作る、ということなのだ。
それでもいい、という人は、どうぞ、ご自由に。
「そんなの無理だ」と思っている人、周囲を見回してください。
「そんなの」を平然とやっている人が存在する。
「無理だ」と思っている人と「平然と」やっている人の差はどこあるか?
それは「そんなの無理だ」と「思っているか、思っていないか」の差でしかない。
自分の可能性にブレーキをかけているのは時代や社会や会社や置かれた環境ではない。
自分自身なのだ。
あなたが成長できない本当の理由。
それは「あなた」だ。
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