2012年08月31日

「治験」を生業にしている人へ:「重箱の隅を突くような指摘」は相手にしなくいい!

「治験」を生業にしている僕たちにとって大事なことが2つだけある。

1つは、まず治験中の「創薬ボランティア」の安全性を確保すること。

もう1つは、「1日でも早く治験を終了させ、新薬を1秒でも早く患者のもとに届けること」だ。

この2つに比べたら、「重箱の隅を突くような指摘」なんぞは、論外だ。



たとえば、治験参加に関して治験責任医師が同意説明を患者に行ったとしよう。

すると、その場で、患者が「自発的に納得して」同意することもおおいにありうる。

それなのに、「同意説明から30分後に同意を得るのは問題があります。少なくとも一旦、家に持ち帰らせ、患者に考える時間を与えてください。できたら1週間の猶予を持たせてください」と治験責任医師等に「機械的」に伝える(詰め寄る)モニターがいる。

また、そういうことを指摘するQCやQAもいる。

もう、そんなことは止してくれ。

僕は恥ずかしくなってしまう。

30分で納得する患者だっているのだ。



「SDV」と称して、「カルテ」に記載されていることを、ただやみくもに「書き写す」モニターもいる。

はっきり言って、愚行だ。

それを指示するリーダーにも問題がある。


もし気になる事項があったら、それがどのように治験の倫理性、患者の安全、人権、データの信頼性に影響するかをもう一度、考え直そう。

それとね、総合機構の個人的な質問に振り回されすぎ。

たとえば、以下の文章が「治験119」にある。

***************

治験依頼者数社よりそれぞれ下記のような要請を受けました(なお、下記対応要請のない治験依頼者もあります)。

・同意取得〜治験薬投与開始までの間隔が28日を超える場合は、同意の再確認をして記録を残す。

・同意取得〜Visit1(観察期開始)までの間隔が28日を超える場合は、同意の再確認をして記録を残す。

・同意取得〜Visit1(観察期開始)までの間隔が1ヵ月を超える場合は、文書で再同意をする。

過去の当局によるGCP実地調査において、調査担当者から「同意取得から治験開始までの期間に間隔が開いているが、同意の再確認は行っているか?」という質問があったことによるものといずれの治験依頼者からも説明を受けました。

***************

上記の内容で問題なのは、「調査担当者から「同意取得から治験開始までの期間に間隔が開いているが、同意の再確認は行っているか?」という質問があったことによるものといずれの治験依頼者からも説明を受けました、という箇所だ。

その調査担当者の言葉をただ、「機械的に」施設に「伝言」するだけ。

モニターがただの「伝書鳩」になっている。



総合機構の担当官の言葉が、全てなのか?

治験依頼者としての見解はどうなんだ?

そもそも、総合機構の人も「人間だ」。

分かる?

僕やあなたと同じ「人間」なのだ。

いつだって、絶対的に総合機構の人が正しいという「盲信」はいい加減、止めよう。

治験依頼者が正しいと思ったら、それをきちんと総合機構の人に説明するのだ。(胸をはって。)



さらに以下のような文章も「治験119」にある。

**************

治験審査委員会の会議記録概要等の公表について、ホームページで公表できないため、GCP上定められている会議記録概要等の作成の必要性をとある製薬会社様に質問したところ、「議事録内に公表に当たって必要とされている項目が網羅されていれば、別に会議記録概要を作成しておく必要はなく、議事録をこれに読み替える事で問題ない」と判断頂き現在に至っています。

閲覧の希望があった場合には、他の治験依頼者の治験はマスキングなど必要な措置は施した状態で、議事録を公表しています。

しかし、最近開始された治験の治験依頼者より「議事録は議事録、概要は概要なので、たとえ議事録上に必要事項が全て網羅されていても、会議記録概要は作成の必要がある。議事録と一緒に会議記録の概要もファイルに保管してほしい」とお話がありました。

ホームページ上で公表できる体制が整っていないため、また、議事録で読み替える事で問題ないとお話もいただいていたため概要を作成していないと説明したのですが、「GCPで定められていますので必要です」との事で、今回の要求に関しては理解に苦しんでいます。

**************


上記の文章の中の「しかし、最近開始された・・・・」以降の文章。

特に「GCPで定められていますので必要です」というところ。

こいう文章を読むと、治験依頼者側の僕は恥ずかしくなる。

質問者が理解に苦しむのは当然だ。

このモニターは「GCPの文字面だけを丸暗記して、僕は(私は)その本質を理解していまぜんよ〜〜!」ということを公言して歩いているようなもんだ。


あのね、議事録が公開されていれば、それは当然、「会議の概要」以上に詳しいのだから、むしろ、その方が「良い」ことだと気が付かないの?

モニターの教育担当者は何を教えているのだ?




今日の文頭に戻ります。

「治験」を生業にしている僕たちにとって大事なことが2つだけある。

1つは、まず治験中の「創薬ボランティア」の安全性を確保すること。

もう1つは、「1日でも早く治験を終了させ、新薬を1秒でも早く患者のもとに届けること」だ。

この2つに比べたら、「重箱の隅を突くような指摘」なんぞは、論外だ。

相手にしなくていい。


ある製薬会社では、QCやQAから指摘される「重箱の隅」の処理ばかりにモニターが追われていて、本質的なSDVにモニターは時間が取れていない、という。

QCやQAの「個人的趣味のような指摘」にモニターが汲々としているのだ。



総合機構の担当官がいう事が「100%正しい」なんてありえない。

「治験119」の見解が絶対だ、ということもありえない。

もちろん、僕がここで言っていることだって、そうだ。


モニターのみんなも、CRCのみんなも、自分の頭で考えよう。

どうしたら、「1日でも早く治験を終了させ、新薬を1秒でも早く患者のもとに届けること」ができるのか?ということを。


その「指摘」は本当に必要なの?

その「仕事」は本当に、治験の本質に繋がっている?

むしろ、治験の促進を阻害していない?

それで、どういう顔を患者に向けられるの?


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posted by ホーライ at 21:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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