2012年04月21日

臨床医学分野 科学技術・研究開発の国際比較(1)

こんなものがあります。
 ↓
■臨床医学分野 科学技術・研究開発の国際比較(2011年版)
   ↓
臨床医学分野 科学技術・研究開発の国際比較(2011年版)

科学技術振興機構 研究開発戦略センター (JST/CRDS)が出したものです。

ちょっと、中身を見てみましょう。



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●エグゼクティブサマリー(抜粋しました)

国民の健康の維持、向上や疾病の治療の重要性は、少子高齢化が進む日本のみならず世界においても増している。

加えて日本では、医薬品や医療機器などの医療産業が次世代の成長けん引産業として大きく期待されており、医療、介護、健康分野における技術革新、いわゆるライフ・イノベーションの推進が課題となっている。

このような中、臨床医学に関しては、ライフサイエンスの基礎研究、橋渡し研究、および臨床研究の推進や、臨床研究の基盤整備、治験環境の充実などを通じて、医薬品開発や医療機器開発におけるイノベーションの創出に向けた集中投資が行われてきた。

一方で、日本では臨床研究に係る制度や研究体制等、様々な側面に課題が存在する。

そのため、より迅速かつ効率的に臨床研究を進めるための仕組みづくりが急務であるとして、政策立案や行政の場において様々な取組みが模索されているところである。

しかしながら、基礎研究の成果を実用化につなげていく推進力は依然として欧米に劣る面もあり、複数の分野において臨床研究の振興、産学・医工連携の推進、人材育成、制度改革、グローバル化あるいは海外展開への対応、その他の研究開発基盤整備等への取り組みが課題となっている。

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これ(↑)、そのとおりですね。


抜き取ると次のことが課題・問題ということです。


●臨床研究の振興

●産学・医工連携の推進

●人材育成

●制度改革

●グローバル化あるいは海外展開への対応

●その他の研究開発基盤整備等への取り組み



ここで、あなたのできることは何でしょうか?

え? 何もない?

そんなことありません!

まずは、『人材育成』ですね。

4月から新入社員が入ってきた会社も多いでしょう。

あるいは、従来からいらっしゃる「若手」もいるでしょう。

さらに、「リーダー候補」もいるでしょう。

こういう人たちを育てるのが、あなたの役割・役目です。



次にできることは「グローバル化あるいは海外展開への対応」ですね。

もちろん、英語を身につけましょう。

TOEICはまずは730点を目指しましょう!

次に「度胸」をつけます。

治験のグローバル化や海外展開では、いろんな意味で「度胸」が(ときには「愛きょう」が)必要です。

英語力に度胸と愛きょう、これが国際化時代に求められる人材です。


さらに「医薬品開発」に関して、報告書を見ていきましょう。


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●「医薬品開発」に関する欧米との比較

欧米では主要なブロックバスター品が次々と特許切れを迎えているが、産学官の効果的な連携により基礎研究の成果を速やかに実用化につなげていく仕組みは依然として機能している。

一方、日本は基礎研究では欧米と比肩しうるものの、応用研究や臨床開発を支える基盤の整備が未だ十分とは言えない状況にある。


東アジア地域では韓国が主要な治験国となっている。

日本での取り組みもここ数年で急増しているが、1 施設あたりの症例数の少なさや高額な治験コストといった課題も残る。

こうしたグローバル化の一方で、アジア等の新興国での治験実施の増加に伴い、疾患の特性や薬の効果を規定する人種的要因にも注目が集まっている。

最後にマイクロドーズ臨床試験、早期探索的臨床試験に関しては、欧米が主導している。

2009 年には日米欧の三極による医薬品規制調和国際会議で早期探索的臨床試験の実施要件を含む非臨床試験ガイダンス(ICH-M3)の改訂が合意され、2009年から2010 年にかけて日米欧の国内で規制化された。

この分野で日本は、技術力は高いものの実施の面で欧米に遅れている。

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仰せ(↑)のとおりで。


治験をやっていると、「症例が集まらない」ということが一番、モニターや治験依頼者は頭を悩まされます。(治験責任医師やCRC等も同様に被験者登録に頭を悩ませていますけれどね。)

患者パネルを持っている病院ならともかく、普通の病院は患者パネルなんて持っていませんから、いざ、治験を実施する段になって、初めて被験者のスクリーニングをして、該当する患者さんに声をかけて、治験に参加してもらう、という流れになっています。


普段から多くの患者さんが通院している病院なら、治験が進むかと言うと、そうでもないですね。

何故なら、患者さんは治験を受けるために病院に通院しているわけではないですからね。

そこで、CRCの方や、治験分担医師、治験責任医師が患者さん、ひとりひとりに声をかける、という地道な仕事があります。

私も実は2,3の患者パネルに登録しているのですが、時々、「治験に参加しませんか?」とお声がかかります。

でも、私ですら、治験参加に腰が引けます。

ふたつ返事で、「はい、その治験に参加します!」とはいかない。

だから、治験の啓発は絶対に必要ですけれど、それだけでは治験は進まない、ということです。

どうしたらいいんでしょうかね?


報告書の続きを見ていきましょ。


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国際技術力比較

1.医薬品開発分野

1.1.概観

本章では「創薬(とくにオーファンドラッグとブロックバスター)」、「国際共同治験」、「マイクロドーズ臨床試験・早期探索的臨床試験」の3項目を設定した。

欧米では、主要ブロックバスター品が2010 年から2013年にかけてさらに特許切れを迎える一方、少数ではあるが将来のブロックバスター候補となり得る新薬が米国において承認されている。

これら新薬は基礎研究からバイオテク企業への速やかな技術移転、その後の技術開発とそれを支援する体制、ベンチャーファンドによる積極的な投資等の成果によるものである。

オーファンドラッグの研究開発では欧米の製薬企業数社が、バイオテク企業との提携を通じて、同領域に本格参入することを表明した。

日本は、優れた基礎研究基盤が存在するものの応用研究や臨床開発を支える基盤が依然として十分に整備されておらず、技術移転や技術の製品化が効率的とは言い難い状況にある。

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これ(↓)、いったい、いつから言われているのでしょうか?
 ↓
「日本は、優れた基礎研究基盤が存在するものの応用研究や臨床開発を支える基盤が依然として十分に整備されておらず・・・・・・・」

私が大学を出た30年も前にも上記の問題は指摘されています。

でも、あまり30年前と変わっていないようです。




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●中国について・・・・・・・

中国は、国際的な研究開発拠点となるべく国家中長期科学技術発展計画に基づく政府主導での人材教育や環境整備の推進、基礎研究への投資が積極的に行われている。

医薬品市場の急速な伸長もあり、国内の医薬研究・産業基盤は着実に力を増大している。

またアジアに多い疾病の研究のために中国に基礎・開発研究所を開設する欧米製薬企業も多く、今後、創薬にかかわる基礎開発研究基盤が急速に充実することは必至と見られている。


●韓国について・・・・・・・

韓国は、バイオテク、創薬・医薬産業基盤が依然として発展途上にある。

現状のバイオ産業の技術水準は先進諸国に一歩譲ると分析されているが、一方では抗体バイオ後継品の製造・開発に特化した野心的なバイオテク企業の設立、あるいは同国のグローバル電子産業が抗体製造ジョイントベンチャーに参入するなどの、新たな動きもある。

東アジア地域では韓国が国際共同治験の主要国となっている。


●日本は・・・・・・・

日本は、規制当局による国際共同治験の推奨や審査機関である独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)によるガイドラインの公表を背景に、ここ数年で国際共同治験が急増している。

中核拠点病院を中心にインフラ整備や英語対応の改善等も進みつつあるが、1施設あたりの症例数の少なさや高額な治験コスト等、課題は残っている。

またグローバル化の中で臨床データの人種的要因に注目が集まっているが、東アジア地域は類似性が比較的高いと考えられている。

そのため日本、中国、韓国で人種的要因に関する研究が実際の薬剤を用いて進められている。

今後のアジア治験の増加へ向け、日本の企画・マネジメント力等も含めた競争力の向上が求められている。


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・・・・・・ということで、今、求められているものは「新薬開発に関する日本の企画・マネジメント力等も含めた競争力の向上」なのですね。

ここでも「度胸」と「愛きょう」が関係してきます(特にマネジメント力において)。


・・・・・・と言うことで、来週もこのテーマでいきます。


ちなみに、こんな文言(↓)が報告書にあります。

「日本の主導の下」ってあるけれど、本当かな・・・・・・・?
    ↓
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●アジアにおける人種的要因の検討

アジア地域は疾患の特性、治療への応答などに人種的な類似性があると考えられていることから、日本、中国および韓国における人種的要因に関する研究が日本の主導の下、薬剤を用いて進められている。

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posted by ホーライ at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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