2012年04月07日

新入社員をどう育てるか?

さて、4月になり、新入社員も入ってきたことと思います。

その新入社員を私たちは、どう育てていったらいいのでしょうか?



新人育成で忘れていけないのは、「新人は私ほど能力も経験もない」ということです。

あなたが「お茶の子さいさい」でやってしまう仕事でも、新入社員にはまったく「未知の仕事」であり「難事業」なのです。

たとえば、治験責任医師にアポをとるための電話ひとつとっても、マナーがなっていなかったり、確認モレがあったりします。

もちろん、あなたは、もうそんなことありません。

でも、新入社員にとっては治験責任医師にアポを取る、という仕事は「初体験」なのです。

あなたも自分の「初体験」の頃を思い出してみてください。



誰だって、最初は「ズブの素人」です。(あなたも、かつてはそうでした。)

もちろん、3年後もまだ「ズブの素人」だったら困ります。

でもね、最初の半年ぐらいは「忍耐」を持って、新入社員をOJTで教育・訓練していきましょうよ。


僕は年がら年中、研修をやっているので、よく分かります。

なかには、「これはどう教えても無理だな」という人も中には(極端に少ないですが)、間違いなくいます。

仕事には向き、不向きがありますので、1年ほどたって、やっぱり不向きだな、と思ったら、別の職場に異動してもらいましょう。

それがお互いのためです。


さて、新入社員に何を教えるのか?

まずは「GCP」ですね。

最初は文字だけで教えていきますが、その時に、何故、こんなことがGCPで規定されているのか? とう背景も教えましょう。

たとえば、「治験参加にあたり、被験者の同意のもと、他の主治医に連絡する」というのは、もちろん「治験薬と既存薬との併用による思わぬ副作用を避ける」ためです。

これには、かつての「ソリブジン事件」が影響しています、なんていうことを伝えていきましょう。


GCPを教えたら、次に教えるべきは「マインド」です。

何故、私たちは治験をやるのか、モニターはどういう心構えでモニタリングをすべきか、CRCは患者さんにはどういう態度で接すればいいのか・・・・・・・など等。

マインドさえしっかりしていれば、スキルなんて、あとからついてきます。

治験における「倫理とは?」「被験者の人権とは?」「福祉の向上とは?」などもしっかりと教えていきましょう。

ここさえ押さえておけば、大きな間違いはしません。



ちなみに、物事を教える時のテクニックですが、いきなり細かいことを教えずに、まずは「俯瞰(ふかん)」の視点から物事を教えていきます。

そして、全体像をつかませておいてから、細かい、具体的なノウハウや約束事を教えていきます。

これはGCPや治験に限らず、ビジネス一般の項目を教えるときにも同様です。


最後に山本五十六の名言を・・・・・


やってみせて、言って聞かせて、やらせてみて、 ほめてやらねば人は動かじ。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。



どうです?

含蓄(がんちく)のある言葉だと思いませんか?





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