これは、民間企業という規模だけでなく「日本国」という国家レベルでの同様だろう。
戦後、優秀な人材がアメリカへ渡ってしまう頭脳流出がかなりあった。
日本を出ていく人たちの感想としては「日本の学術分野における風土」に馴染めないというのもあっただろうし、「自分の才能をさらに発揮できそうな自由な世界」という憧れを持ってアメリカに渡った人もいるだろう。
その後、21世紀になって、日本は(特に科学の分野において)、若くて優秀な、(あるいは若くなくても優秀な)人材の育成と流出防止策を講じてきたのだろうか?
きっと、それなり大学でも改革が行われているだろうし、日本の政策も、オープンな社会を目指して進んでいることだと思う。
思うけれど、こういう事態もまだ起こっている。
↓
新薬開発「日本は無力」…国の推進役、米大学へ
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=51538.co.jp
企業でもそうだが、見解の相違とか個人個人の思惑が違って、優秀な人材がよそへ流出することがある。
そうならないために、様々な工夫を企業は講じている。
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http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2006/20060529/1112/
また、学術団体レベルでもイノベーション創出の観点から、人材の確保が叫ばれている。
↓
http://www.eaj.or.jp/proposal/sustainable%20innovation-j.pdf
日本はかつては技術立国を目指していたし、イノベーションにおいても医学分野がトップに位置づけられていた。
確かに日本が世界をリードしている分野もあるけれど、「治験」に限って言えば、大きく遅れてをとっている。
治験促進に関しては各界からリーダーが集まって政策を練っていることは間違いないのだけれど、その成果はどうだろう?
いろんな条件とか状況があるので、理想通りにはすぐにはいかないとは思うけれど、企業の人事評価でいうとB止まりかな。
成果主義をとっている企業では成果が全てだ。
仕事の評価として、成果主義が全てだとは言わないし、もちろん弊害もある。
でも、ICH-GCPが導入されて以降、どれだけ治験の分野は発展してきただろうか?
どれだけ成果を出してきただろうか?
確かに、医師主導の治験もようやく軌道に乗り、CRCの人数も飛躍的に伸びた。
治験のネットワークも各地、各界で作られてきた。
でも、でも、まだまだだ。
「ドラッグラグ」なる言葉まで生まれている現状では、やはり評価はB止まりだろう。
次の10年では、評価としてAが貰えるように、成果を出していこう。
もちろん、あなたの行動と思考も含めてね。
そして、成果を出した人(組織)に対しては、それが報われるシステムが欲しい。
企業では成果を出せば昇給、昇進、ボーナスの積み増しなどで人材を評価し、確保している。
これを日本国家レベルで考えたらどうだろう?
今、既にある、オーファンドラック制度のようなものとか。
報償があるから頑張るというわけではないけれど、成果を出した人が正当に評価される。
そんな風土が企業レベルでも国家レベルでも求められている。
もちろん、治験の業界においてもね。
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