と、自分がCROで働き始めて、初めて考えた。
製薬会社にいた頃には考えたこともなかった。
で、そのCROで働く意義・メリット・楽しみは、たとえば、以下のことが考えられる。
◆◆◆いろんな新薬の開発に携われる
製薬会社は多かれ少なかれ、「得意分野」がある。
中にはたとえば「眼下領域」や「皮膚科領域」や「外用剤」に特化した製薬会社もある。
あるいは「中枢系に強い」とか「がん領域に強い」とか。
その点、CROで働いていると、いろんな製薬会社から治験の仕事を受託するので、様々な領域の新薬開発に関係できる。
去年は点眼剤を開発していたかと思うと、今年は抗がん剤で、来年はアルツハイマーとか。
◆◆◆新薬開発に成功する確率が高くなる
たとえばA社もB社もC社も3年に1個の新薬を出したとしよう。
するとA社のモニターは新薬を出したら、次は3年後を期待するしかない。
ところが、A社からもB社、C社からも治験を受託しているCROで働いていたら、3年連続で新薬の上梓に関係できる(タイミング良ければ)。
さらに、モニターが治験に係わっている期間が長い(多く)なる。
どういうことかと言うと、上記の例で分かるように、製薬会社では1つの治験を担当していたら、その治験が終わったら、次の治験に自分がアサインされるまで半年とか下手すると1年も「端境期(なんの治験も担当していない暇な時間)がある。
何故かというと、製薬会社は、そんなにいつも新薬の治験をやっているわけではないからだ。
これは2,3か月なら「ちょっとリフレッシュ!」というのでいいけれど、それが半年とか1年も治験にアサインされないと意外と「辛い」。
仕事が無いのに、給料が貰えるならいいじゃない? と思うかもしれないけれど、そう単純な話ではない。
「今日は何をやろうかな?」と毎朝、思うと気が重くなる。
周囲から、「あいつは何も(治験)をやっていないので、給料を貰っている!」と思われていないか、などというあたりも気になる。
こういう時期にたとえば、会社がプロジェクトチームを立ち上げてくれて、「業務の効率化」を考えて、などと仕事を作ってやればいいのだけれど、そういう会社は少ない。
その点、CROは、いろんな製薬会社から治験を受託するので、「端境期(暇な時期)」が短くてすむ。
とは言っても、それはCROの営業成績にもよるんだけれど、それでも製薬会社のモニターが「暇をもてあそぶ」時間は短くてすむ。
◆◆◆いろんなプロトコルを見ることができる
これが意外と面白い。
プロトコルの作り方というのも、会社ごとに違ってくる。
さらにモニタリングに関するポリシーも違ってくる。
大袈裟に言うと、その中に新薬の開発戦略を垣間見ることもできる。
1字1句間違わないSDVを要求してくる会社やALCOAとプロセス管理を重視して、その結果、サンプリングSDVでいいという会社もある。
SOPに対する考え方も違うし、モニタリング報告書に対する見方も違う。
保守的な会社もあるしラジカルな会社もある。
CROで働いていると両方を味わえる。
◆◆◆歴史が浅いので確固たる組織ではない
CRO業界そのものがまだ日本では10年程度の歴史しかないので、どこのCROでも組織が若い。
組織が若いと、自分の意見が組織に反映されやすい。
そうなると「仕事に働き甲斐を感じやすい」となる。
大企業だと歯車の1つとしか感じられないこともある。
大企業には大企業なりの面白さがあると思うけれど(確かに僕もそれを感じていた)、中小企業には中小企業なりの面白さがある(と今は感じている)。
とは言ってもCROにも色々あり、大手と言われているCROもあり、外資系のCROもあるけれど、概ね、社員は若い。
かつては「製薬業界」で働くと言えば、それは「製薬会社」で働くことを意味していたけれど、今ではCROも(SMOも)選択肢になってきた。
それも「製薬会社」に合格しなかったから「CRO」に就職した、という時代から、初めから「CRO」で働きたい、という時代になってきた。
まぁ、製薬会社で働くにしろ、CROで働くにしろ、SMOで働くにしろ、調剤薬局で働くにしろ、自分で「楽しもう!」と思わないと楽しめないんだけどね。
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