2014年08月30日

「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に基づく公開情報

「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」に基づく公開情報
       ↓
http://www.jpma.or.jp/about/guideline/


上記を見ると、会社によって、お金の使い道の分類方法が若干違いますが、臨床試験(治験)にかかる費用が50億円から100億円ぐらいですね。

1年で、です。



日本の製薬産業−その規模と研究開発力−
     ↓
http://www.jpma.or.jp/about/issue/gratis/guide/guide12/12guide_08.html

「あらゆる製造業のなかでもトップクラスの研究開発費比率」ということで、売上高の12%ぐらいが研究費に回されています。

日本にある全ての業種の中で、これだけ研究開発費にお金を回している業界はありません。


製薬業界で働く人としては、これらの金額は知っておく必要があります。




「製薬企業に対する治験の現状アンケート調査結果」の「2013年度版」を見てみましょう。
     ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/140320chikenenquete.pdf


「1症例あたりの治験費用」は平均で160万円です。

例えば、フェーズ3で500人程度の治験ですと8億円となります。

こんな治験が社内で3本も走っていれば、合計で24億円です。


なんというか、慣れてしまうと「ふ〜ん」ですが、やっぱり、じっくり考えると凄い金額ですね。

この費用は直接費用だと思いますので、本当は、さらにこれらの金額に、あなたの人件費が合算されるわけです。

これはもう、天文学的数値になります、というほどではないですが、相当なお金になります。


製薬会社としては、これだけのお金を早く取り戻したい、ということで、1日でも早く市場に出すために海外で治験が進む、という構図の説明はいろんなところで行われています。

まぁ、会社の都合のことまで、いち社員の僕たちにはどうこうできませんが、それでも、自分の人件費ぐらいは無駄にしたくないですよね。


あなたの年収が500万円だとします。

これを日額に直すと(365日で割ると)、13698円です。

時給に直すと(24時間で割ると)、570円です。

どうです?

1時間、無駄話をしていると、570円が流れていきます。

年収が800万円になると、913円です。

たいした金額ではないと思われるかもしれませんが、これららも、本来は、新薬の開発費として計上されるわけです。


今日の話は新薬の開発費、ということですが、そこには、あなたの貴重な人生の1ページも含まれる、ということを忘れて欲しくないのです。

そう考えると、「無駄」なことはしたくないですよね。

会社としても、社員に「無駄」なことをさせたくないでしょう。


でも、よ〜〜〜く、考えると、無駄ことってありませんか?

ひょっとしたら、「よ〜〜〜く考えると、ど〜〜〜〜でもいいこと」にあなたの貴重な時間を費やしていませんか?


その無駄を省いて、次の仕事に回すか、あなたの自己成長に時間を回しましょう。


仕事を「緊急度」と「重要度」で分類すると、もちろん、「緊急度」が高くかつ「重要度」が高い仕事を誰もがやります。

でもって、次にとりかかる仕事は、大抵のひとが「重要度」はあまり高くないけれど「緊急度」が高い仕事をやります。

「お〜〜い、これを明日までにまとめておいてくれ」的な仕事です。


「緊急度」も低く、「重要度」も低い仕事は、とりあえず、無視しましょう。

大事なことは「緊急度」は低いけれど、「重要度」の高い仕事です。

このケースの代表例が、「あなた自身を成長させる」仕事です。

自己啓発は緊急度はあまり叫ばれませんが、重要度は高いですよね?

そこまでは、誰もが認識しています。

でも、重要ではないけれど、緊急度が高い目の前の雑務的な仕事を右から左に流すことで精一杯になって、自己啓発を忘れてしまいます。



今日の結論です。

新薬を世の中に出すには膨大なお金がかかります。

その中には、あなたの人件費も含まれています。

そのお金を回収するために、製薬会社は薬価を高くしたいと思っていますし、より早く回収するために海外で治験が進み、重要な薬のドラッグラグの原因になっています。

あなたの時給は570円ですが、その人件費は積もり積もって年間500万円ぐらいになります。

そのお金は緊急度は低いですが、重要な仕事である「あなたの自己啓発費」に回しましょう。

(まとまりのない結論だな・・・・・・・)

でもね、本当のことを言えば、あなたの貴重な人生の1秒なんて、お金に換算できないほど、貴重なものなんですよね。

僕がいくらお金を積んだとしても僕は二度と20歳代に戻ることはできません。

そんなあなたの貴重な時間を大切にね。

(このブログの記事が、あなたの貴重な時間を無駄にしてないといいのですが・・・・・・・。)


posted by ホーライ at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 新薬を開発するということ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月23日

エボラ出血熱、ALSとアイス・バケツ・チャレンジ、難病

難病の認知度(一般市民の)は低い。

製薬業界の僕たちだって、決して、詳しくない。


●難病とは?

特定疾患(とくていしっかん)とは、日本において厚生労働省が実施する難治性疾患克服研究事業の臨床調査研究分野の対象に指定された疾患をさす。

2012年現在、対象は130疾患。

難病(なんびょう)とも称される。

都道府県が実施する特定疾患治療研究事業の対象疾患は、国の指定する疾患については特定疾患から選ばれており、当事業の対象疾患をさして特定疾患ということもある。

元々難病とは、一般的に「治りにくい病気」や「不治の病」を指す言葉であり、医学用語として具体的かつ明確に定義されているものではない。

施策上の難病の定義は、1972年の難病対策要綱によると、

1.原因不明、治療方法未確立であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病

2.経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病

とされている。


「特定疾患」(難病)
  ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E7%96%BE%E6%82%A3


では、「アイス・バケツ・チャレンジ」とは?
   ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B1%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8


アイス・バケツ・チャレンジ (Ice Bucket Challenge) あるいはALSアイス・バケツ・チャレンジ (ALS Ice Bucket Challenge) は、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の研究を支援するため、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、またはアメリカALS協会(英語版)に寄付をする運動。

2014年にアメリカ合衆国で始まり、Facebookなどのソーシャルメディアを通して社会現象化し、他国にも広まっている。

参加者の中には各界の著名人や政治家も含まれており、寄付金の増加やALSの認知度向上に貢献している。





この地球上には治療方法が無い、確立されていない、病気が「山のように」ある。

そして、それらの病気の中には「極めてまれ」にしか発症しない病気もあり、そういう病気は治療方法の研究も進んでいないし、製薬会社も手を出さない傾向にある。

そのため、オーファンドラッグ制度というものがある。
  ↓
希少疾病用医薬品
  ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%8C%E5%B0%91%E7%96%BE%E7%97%85%E7%94%A8%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81



ウルトラ・オーファンドラッグと言う言葉もある。
  ↓
http://enigata.com/data/youbou_20130402.pdf



「顧みられない熱帯病」という言葉もある。
  ↓
http://www.jpma.or.jp/globalhealth/statement/ntds.html


「ロンドン宣言―顧みられない熱帯病制圧に向けた新たなコミットメントを表明」している会社もある。
  ↓
http://www.eisai.co.jp/company/atm/activities/15.html




エボラ出血熱の治療薬を開発するとしても、患者がいつ、どこで発生するか予測できないような病気は治験の計画さえ立てにくい。

しかし、難病に罹患された方は、いつか、治療薬、治療方法が発見されることを希望に生きている。


エイズも発見当時から比べたら、画期的に治療方法が進んだ。

エイズの治療方法の発展に営利主義、名誉欲が無かったのかというと、そんなことは決してないだろう。

でも、それでもかまわない。

どんな理由、牽引作用が働いたとしても、治療方法ができればいいのだ。

逆に営利主義も名誉欲も牽引作用として働かない疾患は「おいてけぼり」だ。

まさに「顧みられることがない」。



「日本を救えー奥尻島から普賢岳救済への道のり」の中で「泉谷しげる」は「俺の売名行為だ!おまえら、寄付をしろ!!」と叫んでいた。


「アイス・バケツ・チャレンジ」がたとえ売名行為でもいい。

それでALSという難病の知名度があがり、研究費が寄付され、治療方法が発見されればいいのだ。


繰り返しますが、世界にはまだまだ治療薬が無い病気が山のようにある。

その山から「ひとかき」でもいいので砂利をすくい取る、それが僕たちの仕事です。



posted by ホーライ at 08:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月15日

「臨床試験(治験)のポータルサイト」についてのもろもろ

先週(と言うか、今週のというか)、ホーライ製薬では「第11回臨床研究・治験活性化に関する検討会」(5カ年計画2012中間報告)を見てきた。
     ↓
http://horaiseiyaku.seesaa.net/category/2706497-1.html



「大人の事情」か何か知らないが、治験に関連するツールで世の中にはいい物があっても、それが日の目を見ないこともある。

当局の「方針」を見ると「患者の視点」に立ってとか「患者の立場」になって、と言う言葉が目立つが、本当にそうやっているのだろうか?

「患者の視点で」と言われて久しいよね。



例えば「厚生労働省の治験ウェブサイト」があるけれど、患者に役立つ情報は皆無に近い。

「・患者への教育・情報提供については、臨床研究・治験活性化協議会において、各機関における取組事例について情報交換を行い、厚生労働省のウェブサイト等で公表する。」とありますが、どこにもそれらしきものが見当たりません。

(無いことも無いが、患者には分からない言葉で説明している。)
    ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/



文部科学省が中学生や高校生に医薬品に関する内容を教えているのはいいことだ

医薬品や治験の「良い面」と「悪い面」をしっかりと教えて欲しい。(なんなら、僕が講義に行きます^^;)


また、僕が非常に注目したのが下記のアイデアだ。
    ↓
「一般利用者の視点に基づく臨床試験コンテンツ作成とポータルサイト構築に関する研究(有田班提出資料)」

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000053154.pdf
    ↓
この研究班では実際に一般市民の方を使って、新しいポータルサイトを検証している。



「有田班」のポータルサイトは下記の「国立保健医療科学院の臨床研究(試験)ポータルサイト」に比べると、はるかに患者(一般市民)に対するハードルが下がっているように見える。
   ↓
「国立保健医療科学院の臨床研究(試験)ポータルサイト」
   ↓
http://rctportal.niph.go.jp/

上記の「国立保健医療科学院の臨床研究(試験)ポータルサイト」は堅物でしょ? ね? いかにもお堅い役人が作った、という感じが全面的に出ています。

そもそも、どこが「検索用の窓」なのかが、ひと目で分からない(これは致命的だ)。



「有田班」では「ポータルサイトプロトタイプの構築」までやっている(21頁め以降)。
  ↓
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000053154.pdf


「有田班」の「臨床試験(治験)ポータルサイト」では「言葉の解説・知識を深められる情報」や「用語集や教育コンテンツの充実」まで揃っている。

ところが、奇妙なことが上記の資料の23頁目に記載されている。

プロトタイプを作ったら、それが正常に働くか、実際のデータを利用して確かめたい。(まぁ、それが普通の発想ですよね。)

ところが23頁めには「データを直接利用することができなかった」とあります。

あら?なんで? って感じです。

「国立保健医療科学院の臨床研究(試験)ポータルサイト」に入っているデータとか、「JAPIC」に入っているデータとか使えないのかな?

この点に就いて、厚生労働省のお方はデータを使わせてもらうようご尽力されたのでしょうか?

臨床試験や治験のデータベースを持っている他の機関もデータを利用させなかったのでしょうか?


なんだかな、bureaucratic(官僚的)だなぁ。



「治験活性化5か年計画2012」って、国をあげて、オールジャパンで推進していくものではなかったでしたっけ?(これは大袈裟すぎかな)

少なくとも厚生労働省(場合によっては文部科学省も)は、一致団結して治験の活性化に向かうと僕は思っていました。

でも、研究班どうしでうまく連動していない、というのはどういうことなんでしょうね?

おかしな力が働いているのでしょう?(「しがらみ」とか「縄張り争い」とか。)


また、同じく上記の「有田班」の資料の23頁にはこうあります。

「試作品の公開は許されなかった。本ポータルサイトプロトタイプは公開できなかったため。」

とありますが、ベータ版(β版)であることを明記して、実際のネットの中で、どれだけ利用できるかを検証したほうがプロトタイプの良さが分かりますよね?

普通、そう思いませんか?

公開しないなんて、もったいないな。(かわいいキャラも載せているのに。。。。)


「有田班」の資料の44頁に次のようにあります。

「一般国民・患者のため」にこのような取り組みを行っている国は日本以外にはほとんどなく、日本が世界をリードできる領域になりうる。」

なんですね。

世界に先駆けてやりましょう。せっかくだから。




次に「国民・患者への臨床研究・治験の普及啓発に関する研究(佐藤班提出資料)」です。
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000053191.pdf


こちらでもなかなかいいことをおっしゃっています。(本当にやってくれるなら。)

でも、何故かしら、「患者の立場で」とか「一般市民の立場で」というのがなくて、あるのは「システムの運営・開発視点から」とかなんですよね。


上記の資料の4頁目以降に次の記載があります。

「臨床試験情報ポータルサイトの要改善点(まとめ)」

・科学院情報ポータルの広報、アクセス向上

・治験・医療情報へのワンストップポータル機能

(治験情報の詳細な収集・公開、ナショナルセンター・大学・医療機関等とのンテンツの相互利用情報連携)


・検索機能の向上、サイト構成・デザイン改善による利便性向上
(技術的検討、構成の単純化)

・ポータルサイト改善に向けた技術的・制度的課題の整理と解消
(解決可能なものには解決の提示、不可能なものには方向性を示唆)

・他機関の情報提供システム構築の支援と、作成コンテンツの参照

・改善に向けて(システムの運営・開発視点から)

・現システムの臨床研究登録情報を有効活用しつつ、登録情報の拡充、

・検索・表示機能の改良を図る。疾患・医薬品情報も同時に表示・提供。



臨床試験情報提供に向けた継続課題

治験情報コンテンツ作成の基盤的機能の向上

アクセプト JPRN、国立高度医療研究センター、国立病院機構、PMDA、国立大学・研究機関等の治験情報・コンテンツ作成機能の向上

アクセプト 日本製薬工業協会、医師会、学会、患者会の情報発信機能の向上

国立保健医療科学院の情報ポータル運営能力の向上

アクセプト JPRNメンバー機関のコーディネーション向上

アクセプト 治験登録制度/情報ポータル(運営)に関する法令整備、予算確保

アクセプト ガイディング機関、情報ハブとしての国立保健医療科学院の機能強化

(医療機関/医療関係者向け広報,学会での広報・情報/意見交換)医療機関、患者会等を含む外部機関との連携

アクセプト (医療の選択肢として)治験情報を提供するという意識改革、サービス基盤の整備。難治性疾患患者の治験への関心は高い。



こちらの「NIPH 情報提供ポータル」でもプロトタイプ作成の作成を考慮されているようです。(でも、プロトタイプの段階では公開されないんですよね?)



一般的な医療情報の提供

⇒ 一般的医療情報の検索、整理、表示システム



• 臨床研究・治験に関する情報の提供

⇒ 臨床研究・治験情報(項目)の不足を補う追加システムの検討

⇒ 技術的課題の整理、情報連携に向けた課題整理

⇒ 治験情報の多機関串刺し検索と結果の一括(総合)表示システム



• 科学院の臨床試験(治験)情報ポータルシステムの設計(仕様書策定)

⇒ 包括的な情報検索エンジンの開発 (アドオン型)

⇒ 辞書(シゾーラス)機能の改善

⇒ 複数機関の所有・公開情報の総合的検索・表示システム

⇒ 情報項目の見直し、インターフェイスの改善




上記のことが本当にできたら、こちらのポータブルサイトも充実しそうですね。

でも、プロトタイプはやっぱり公開されないんですよね?

どうやって利便性を調べるんだろう?


まぁ、いすれにしても来年の1月には新しい国立保健医療科学院(NIPH)の「臨床試験(治験)情報ポータルサイト」が完成するそうです。

従来からある、下記のサイトを改善するようです。
     ↓
http://rctportal.niph.go.jp/


どのポータルサイトでも共通して言えるのは、データベースがしっかりとしていることです(当たり前と言えば、当たり前)。

「卵巣がんの治験」を調べようと思っても、抗がん剤を開発している製薬会社がデータベースに登録してくれないのならば、使えるものになりません。

この点をどうクリアしていくか、でしょうね。

現在、各製薬会社が治験を実施している病院の一覧(これがデータベースに成りえます)を提示しているのは総合機構に対してだけです。

なにしろ薬事法で「治験届」を出せ、と言っているわけですから。

でも、JAPIC(日本医薬情報センター)に治験の情報を登録しろって、薬事法等で規定していませんよね?


満足な治験ポータルサイトが1つとしてない日本の治験の活性化はどうなるのでしょう?

何を持って治験が活性化したと言えるのでしょう?



さて、蛇足ながら、「厚生労働省の治験ウェブサイト」には下記のことが記載されています。
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/
   ↓
「治験等情報」
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/04.html


でもって、下記にはっきりとこう書かれています。「一般の方に向けて広告することを目的としたものではありません」

もちろん、「広告」はいけません。

でも、「一般の方に向けての情報公開です」という言葉もありません。


それにしても、下記の内容を読むと、いろんなところに治験・臨床試験情報が散在していることがよく分かります。

一般市民の患者さんや難病患者が泣くのがよく分かります。


絶対に、誰かが、旗振りをして、これらのサイトを統一(あるいはゼロから構築)しないとあなたやあなたの奥さん(旦那さん)、お子さん、パートナーが病気になった時に困りますよ。

でもこれだけ複雑になった(それもサイトの運営母体がバラバラ)ものを統一化するのはまず、ほぼ無理(ゼロからの構築のほうが速い)でしょうね。

何故なら、強力なリーダーシップを発揮するプロジェクトリーダーと優秀なプロジェクトマネジャーが必要だからです。


■■■■■■■■■■■■■■■■

我が国で実施されている医薬品及び医療機器に係る治験を含む臨床研究の情報や、開発中の新薬情報について、以下のサイトで公開しています。

なお、各サイトは、研究情報公開を目的としているものであり、特定の医薬品や治療法等について、医療関係者や一般の方に向けて広告することを目的としたものではありません。

--------------------------------------------------------------------------------

<国内での治験・臨床研究の情報>

UMIN、JAPIC及びJMACCTから構成されるJapan Primary Registries Network(JPRN)が、平成20年10月16日にWHOのPrimary Registryとして認められました。

なお、JPRNの運営にあたっては、国立保健医療科学院も参画しています。

○公表資料  世界保健機関による日本の治験・臨床研究登録機関の認定について(Japan Primary Registries Networkの認定について)」
       ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/10/tp1017-1.html




○関連URL  WHOのホームページ
        ↓
http://www.who.int/ictrp/network/primary/en/



臨床研究登録情報検索ポータルサイト
     ↓
http://rctportal.niph.go.jp/

国立保健医療科学院では、平成17年度から厚生労働科学研究の一環として、一般の方々が必要とされている情報を「正確に」「分かりやすく」提供することを目指した検索システムを開発しました。ポータルサイトでは、以下の3つの登録機関の情報を単一の検索窓口で容易に検索できる機能に加え、結果を分かりやすく閲覧できます。



臨床研究登録情報検索ポータルサイト運営委員会

委員会の資料を掲載しています。

・「第1回 臨床研究登録情報検索ポータルサイト運営委員会」
    ↓
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/09/txt/s0921-1.txt


大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)
大学病院等で行われている臨床研究の情報が閲覧できます。
    ↓
http://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm



(財)日本医薬情報センター(JAPIC)
製薬企業が実施する治験を含む臨床研究の情報が閲覧できます。
    ↓
http://www.clinicaltrials.jp/user/cteSearch.jsp;jsessionid=37292F692659D725D5E7537D2A60BC82


(社)日本医師会治験促進センター(JMACCT)
センターが採択した医師主導治験の情報が閲覧できます。
    ↓
https://dbcentre3.jmacct.med.or.jp/jmactr/


--------------------------------------------------------------------------------

<諸外国における治験の情報>

国際製薬団体連合会(IFPMA)
    ↓
http://clinicaltrials-dev.ifpma.org/
    ↓
残念ながら、サイトが表示されません。

世界各国で実施されている、医薬品の治験の情報が閲覧できます。

日本語で情報を検索できます。


(米国で有名な臨床試験・治験のデータベースは下記にあります。)
    ↓
http://clinicaltrials.gov/ct2/home


--------------------------------------------------------------------------------

<開発中の新薬情報>

日本製薬工業協会(JPMA)

製薬企業別に現在開発中の新薬に関する情報を閲覧できます。
    ↓
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/development/index.html




国立がんセンターがん対策情報センターがん情報サービス
    ↓
http://ganjoho.jp/public/index.html


国内未承認薬(がん関連)に関する情報を閲覧できます。

同サイトではがんの臨床研究の情報も閲覧できます。


■■■■■■■■■■■■■■■■

そろそろ、誰かが整理したほうがいいよね。

国は優秀なハッカーを採用すべきじゃないだろうか?



posted by ホーライ at 07:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月09日

プロジェクトの難しさ

今週のホーライ製薬は「臨床研究・治験活性化に関する検討会」だけど、要は「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン」の中間報告みたいなもんですね。

で、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン」を見ていると、20年近く前に会社でやった「リエンジニアリング」を思い出してしまいます。

そのリエンジニアリングプロジェクトでは、まず、社内の治験に関連する問題点を抽出し、そして、その問題点を解決するための解決策を考え、それを実行する、というもの。

普通、こんな時、外部の「コンサルティング会社」に入ってもらって、プロジェクトの推進を手伝って(というかリード)もらう。

すると、スケジュールがまず提示され、いつまでに問題点を抽出し、いつまでに解決策を考え、いつから実行するのか、ということを検討するよう命じられる。



プロジェクトメンバーは、いろんな部署から選ばれた人で、その人たちは普段の自分の仕事をしながら、この「余分な」プロジェクトの仕事をしなければならないので、大変なのだ。

そして、プロジェクトメンバー以外は「なんか、やっているみたいだけど、俺、知らん」とか「リエンジニアリングとか言って、私の余計な仕事を増やさないでね。」とか言われて、踏んだり蹴ったり。

スケジュールがとにかくタイトなので、「とりあえず」的な解決策を提示して、それで終わり、なんてことも無いことも無い。

解決策を実行したはいいけれど、本当に解決策になっているのか調べなかったり、下手すると「やりっぱなし」になる。

特にこういう臨時的なプロジェクトでは解決策を提示したら、あとは「解散」するので、実行できたかどうかを確認する責任者がいなかったり、本当に効果があったか分析する人もいないなんてこともある。


「臨床研究・治験活性化5か年計画2012 アクションプラン」では、そのようなことがないようにお願いしたいです。

(もちろん、そんなことはないでしょうが。)

posted by ホーライ at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月02日

ね? 期待しだいでしょ? 期待しましょう!!

今週はホーライ製薬では「健康・医療戦略について(閣議決定)」を見ている。

このような「国家プロジェクト」(だよね?)を成功させるためには何が必要なんだろう?

たとえば、2020年の「東京オリンピック」なんかもそうだよね。

アメリカの例だと「アポロ計画」もそうだ。(1960年代のうちに人類を月に連れて行くって、ケネディ大統領が宣言した。)

悪い例だけど「戦争」も間違いなく国家プロジェクトだ。


ネットで検索するとこんなのが見つかった。
    ↓
「新たな国家プロジェクトの在り方について」
    ↓
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0001620/032_04_00.pdf


上記の資料の中にも触れられているし、僕もこのブログで何度も言っているけれど、大きなプロジェクトを成功させるためには「強力なリーダーシップ」と「大胆なマネジメント能力」を兼ね備えた人が必要だ。

しかも若ければ若いほどいい。(せめて40歳代以下。できれば30歳代だ。)

年齢が上がると「経験が邪魔をする」し「大胆な発想が出にくい(無鉄砲なことを自制しやすい)」。


今回の国の方針での目玉は「各省の枠を超えて、領域ごとに置かれるプログラムディレクター(PD)、プログラムオフィサー(PO)を活用した、基礎から実用化までの一貫した研究管理」を行うところだと僕は思う。

ただし、このPDとPOをさらにまとめるリーダーとマネジャーが必要だ。

さらに科学的ななんらかの「ブレークスルー的な技術」だ。


では、「国家プロジェクト」の成功に「不要」なものは何か?

それは「どうせ、できっこないでしょ。」という気持ちだ。

「そんなの無理、無理」と口にする人物。

いらないね、こういうの。

一般国民としても膨大な税金を使うのだから、是非、成功して欲しい。


上記の「健康・医療戦略について(閣議決定)」には「達成すべき成果目標(KPI)」が記載されている。

ちなみにKPIとは Key Performance Indicator のことで、まぁ、分かりやすくというと「目標」です。それを小難しく、それっぽく言っているのがKPIです。民間企業でもよく使われる言葉ですね。

でもって、その「健康・医療戦略について(閣議決定)」のKPIには例えば次のものがある。

【2020年頃までの達成目標】

●5年以内に日本発の革新的ながん治療薬の創出に向けた10種類以上の治験への導出

●日本発の認知症、うつ病などの精神疾患の根本治療薬候補の治験開始

●First in Human(FIH)試験(企業治験含む)年間40件

●医療機器の輸出額を倍増(2011年約5千億円→約1兆円)


ね? 期待しだいでしょ? 期待しましょう!!

posted by ホーライ at 08:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の活性化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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